『生理作用』エネルギー代謝を大きくサポート
パントテン酸は、コエンザイムA(CoA)という補酵素の構成成分として、多くの代謝過程において中心的なサポート役として働いています。
コエンザイムAは、3大栄養素である糖質・脂質・タンパク質からエネルギーがつくり出されるときに、140種類以上もの酵素の重要な補酵素となります。コエンザイムAの原料であるパントテン酸は、体内のすべての組織にとって必須なビタミンであるといえます。
ホルモンや抗体の合成にも関与
パントテン酸には、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増やしたり、抗ストレス作用を持つ副腎皮膚ホルモンや神経伝達物質の合成、風邪をひきにくくするといった免疫抗体の合成、薬物の解毒作用などの働きにも関与しています。
『不足』白髪が増え、抵抗力が低下
偏食や過激なダイエットなどで、栄養失調の状態が続くと、不足することがあります。お酒やコーヒーによっても消耗されるので、これらを多く飲む人は注意が必要です。このほか、抗生物質の常用者も、腸内細菌による供給量が減り、不足しやすくなります。
不足したときに症状が出やすいのは毛髪で、タンパク質が十分に補充されないため、ツヤがなくなり、赤茶けたり、白髪が増えたりします。また、ストレスにも弱くなります。
パントテン酸は、病原体などから体を守る抗体の合成を助ける働きもしています。そのため、パントテン酸が不足すると、免疫力が弱まり、風邪などをひきやすくなります。